カントール・ダスト(Cantor Dust)
- 分類: 自己相似図形
- 写像の数: 4 個(相似変換 4 個)
- 次元 1.262
ステップ 0〜5 の変化
完成図をちょうど囲む長方形(Step 0)に、4 個の写像をまとめて当てはめる操作(ハッチソン作用素 )を繰り返した図です。色は最初に当てはめた写像を表します。






概要
線分を 3 等分して真ん中を取り除く操作を繰り返すと、「カントール集合」と呼ばれる点の集まりができます。ドイツの数学者ゲオルク・カントールが 1883 年の論文で扱ったことで知られる集合です。カントール・ダストは、これを平面に広げたもので、横方向と縦方向の両方でカントール集合になっている点の集まりです。
正方形を 3×3 に分けて四隅の 4 マスだけを残す操作を繰り返すと得られます。どの点もほかの点とつながっていない「ちり(dust)」のような図形で、次元は です。これは、1 次元のカントール集合の次元 のちょうど 2 倍です。
アフィン変換の係数
各写像は で、 はカオスゲームで選ぶ確率です。
| 写像 | a | b | c | d | e | f | p | 種類 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f1 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.25 | 相似(0.333 倍) |
| f2 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0.6667 | 0 | 0.25 | 相似(0.333 倍) |
| f3 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0 | 0.6667 | 0.25 | 相似(0.333 倍) |
| f4 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0.6667 | 0.6667 | 0.25 | 相似(0.333 倍) |
次元
| 理論値 | |
|---|---|
| 相似次元 | 1.262(全ての写像が相似変換のため、モランの式 から計算) |
| ボックスカウント次元(推定値) | 1.356(100万点・1 辺 16〜512 分割、決定係数 R² = 0.9975) |
相似次元は、開集合条件を満たす場合にハウスドルフ次元と一致します。
| 1 辺の分割数 | 点を含む箱の数 |
|---|---|
| 16 | 100 |
| 32 | 256 |
| 64 | 784 |
| 128 | 1,764 |
| 256 | 4,895 |
| 512 | 10,399 |
次元の求め方は「フラクタル次元の求め方」で解説しています。
作り方
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0, 0) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0.667, 0) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0, 0.667) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0.667, 0.667) します(相似変換)。
4 つの写像はどれも「1/3 に縮小する」だけで、正方形の四隅に置きます。1 回ごとに正方形の数は 4 倍、1 辺は 1/3 になり、正方形の群れが四隅へ分かれていきます。
関連する図形
出典・参考文献
- G. Cantor, "Ueber unendliche, lineare Punktmannichfaltigkeiten" (5), *Mathematische Annalen* 21 (1883), 545–591.
- K. Falconer, *Fractal Geometry: Mathematical Foundations and Applications*, Wiley(初版 1990).