ヴィチェック・フラクタル(Vicsek Fractal)
- 分類: 自己相似図形
- 写像の数: 5 個(相似変換 5 個)
- 次元 1.465
ステップ 0〜5 の変化
完成図をちょうど囲む長方形(Step 0)に、5 個の写像をまとめて当てはめる操作(ハッチソン作用素 )を繰り返した図です。色は最初に当てはめた写像を表します。






概要
正方形を 3×3 に分け、中央と上下左右の 5 マスだけを残す操作を繰り返してできる、十字形のフラクタルです。ハンガリーの物理学者ヴィチェック・タマーシュ(Tamás Vicsek)の名にちなんで呼ばれます。
1/3 のコピー 5 個でできているので、次元は です。どの段階でも中央の十字がつながっていて、枝分かれした樹のような構造になっています。
このサイトの旧版では「ギリシャ十字フラクタル」と呼んでいましたが、写像の定義がヴィチェック・フラクタルと同じであるため、名前を改めました。
アフィン変換の係数
各写像は で、 はカオスゲームで選ぶ確率です。
| 写像 | a | b | c | d | e | f | p | 種類 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f1 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0.3333 | 0.3333 | 0.2 | 相似(0.333 倍) |
| f2 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0.3333 | 0 | 0.2 | 相似(0.333 倍) |
| f3 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0.3333 | 0.6667 | 0.2 | 相似(0.333 倍) |
| f4 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0 | 0.3333 | 0.2 | 相似(0.333 倍) |
| f5 | 0.3333 | 0 | 0 | 0.3333 | 0.6667 | 0.3333 | 0.2 | 相似(0.333 倍) |
次元
| 理論値 | |
|---|---|
| 相似次元 | 1.465(全ての写像が相似変換のため、モランの式 から計算) |
| ボックスカウント次元(推定値) | 1.483(100万点・1 辺 16〜512 分割、決定係数 R² = 0.9998) |
相似次元は、開集合条件を満たす場合にハウスドルフ次元と一致します。
| 1 辺の分割数 | 点を含む箱の数 |
|---|---|
| 16 | 103 |
| 32 | 295 |
| 64 | 871 |
| 128 | 2,337 |
| 256 | 6,399 |
| 512 | 17,781 |
次元の求め方は「フラクタル次元の求め方」で解説しています。
作り方
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0.333, 0.333) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0.333, 0) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0.333, 0.667) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0, 0.333) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.333 倍に縮小して平行移動 (0.667, 0.333) します(相似変換)。
5 つの写像はどれも「1/3 に縮小する」だけで、3×3 のマスの中央と、その上下左右に置きます。四隅を取り除くことで、十字の中にさらに小さな十字が並ぶ形になります。
関連する図形
出典・参考文献
- T. Vicsek, "Fractal models for diffusion controlled aggregation", *Journal of Physics A: Mathematical and General* 16 (1983), L647–L652.