フラクタル・ツリー(Fractal Tree)
- 分類: 植物・樹木
- 写像の数: 4 個(相似変換 2 個)
- 次元 ≈ 1.538(推定)
ステップ 0〜5 の変化
完成図をちょうど囲む長方形(Step 0)に、4 個の写像をまとめて当てはめる操作(ハッチソン作用素 )を繰り返した図です。色は最初に当てはめた写像を表します。






概要
1 本の幹から左右に枝が分かれ、その枝がさらに左右に分かれていく、樹木の枝分かれを表す図形です。左右対称で、枝の先端に向かって細かな枝が密集していきます。
枝を作る 2 つの写像は、図形を 45° 回転させて約 0.59 倍に縮める相似変換です。一方、幹を作る写像は図形を細い棒につぶすため相似変換ではなく、相似次元は計算できません。
アフィン変換の係数
各写像は で、 はカオスゲームで選ぶ確率です。
| 写像 | a | b | c | d | e | f | p | 種類 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f1 | 0.05 | 0 | 0 | 0.6 | 0 | 0 | 0.1 | アフィン |
| f2 | 0.05 | 0 | 0 | -0.5 | 0 | 1 | 0.1 | アフィン |
| f3 | 0.42 | -0.42 | 0.42 | 0.42 | 0 | 0.2 | 0.4 | 相似(0.594 倍) |
| f4 | 0.42 | 0.42 | -0.42 | 0.42 | 0 | 0.2 | 0.4 | 相似(0.594 倍) |
次元
| 理論値 | —(文献で確認できる値がないため記載していません) |
|---|---|
| 相似次元 | —(相似変換でない写像を含むため算出対象外) |
| ボックスカウント次元(推定値) | 1.538(100万点・1 辺 16〜512 分割、決定係数 R² = 0.9998) |
相似次元は、開集合条件を満たす場合にハウスドルフ次元と一致します。
| 1 辺の分割数 | 点を含む箱の数 |
|---|---|
| 16 | 105 |
| 32 | 289 |
| 64 | 833 |
| 128 | 2,429 |
| 256 | 7,185 |
| 512 | 21,518 |
次元の求め方は「フラクタル次元の求め方」で解説しています。
作り方
- 写像 は向きによって 0.05〜0.6 倍に縮め、傾きを変えながら平行移動 (0, 0) します(面積は 0.03 倍)。
- 写像 は向きによって 0.05〜0.5 倍に縮め、反転を含めて傾きを変えながら平行移動 (0, 1) します(面積は 0.025 倍)。
- 写像 は図形を 0.594 倍に縮小して45° 回転し、平行移動 (0, 0.2) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.594 倍に縮小して-45° 回転し、平行移動 (0, 0.2) します(相似変換)。
- ・(幹): 横方向を 0.05 倍に縮めて図形を細い棒にします。 は根元から上向き、 は上下を反転して上から下向きに幹を描きます。
- ・(左右の枝): 全体を約 0.59 倍に縮め、左右に 45° ずつ回転させて、幹の途中から伸ばします。
「全体を縮めて回転したコピーが、そのまま左右の枝になる」という規則を繰り返すことで、何段階にも枝分かれした樹形になります。
関連する図形
出典・参考文献
- H.-O. Peitgen, H. Jürgens, D. Saupe, *Chaos and Fractals: New Frontiers of Science*, Springer, 1992.