結晶樹(Crystal Tree)
- 分類: 植物・樹木
- 写像の数: 5 個(相似変換 5 個)
- 次元 ≈ 1.607(推定)
ステップ 0〜5 の変化
完成図をちょうど囲む長方形(Step 0)に、5 個の写像をまとめて当てはめる操作(ハッチソン作用素 )を繰り返した図です。色は最初に当てはめた写像を表します。






概要
中央と上下左右の 5 か所に、全体を約 0.382 倍に縮小したコピーを置いてできる、十字形の結晶のような図形です。十字の腕から、さらに小さな十字の腕が枝分かれしていきます。
5 つの写像はすべて相似変換なので、モランの式から相似次元を計算でき、約 1.672 になります。ただし、中央のコピーと上下左右のコピーは一部が重なっています。コピーどうしが重なると、モランの式は重なった部分を二重に数えるため、相似次元は実際の次元(ハウスドルフ次元)より大きな値、つまり上限にとどまります。そのため、このページでは理論値を載せていません。ボックスカウント法による推定値は約 1.6 で、相似次元より小さくなっています(→ 相似次元とハウスドルフ次元の関係)。
ヴィチェック・フラクタルも同じく十字形ですが、そちらは縮小率が 1/3 で、コピーどうしが重なりません。
アフィン変換の係数
各写像は で、 はカオスゲームで選ぶ確率です。
| 写像 | a | b | c | d | e | f | p | 種類 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f1 | 0.382 | 0 | 0 | 0.382 | 0 | 0.618 | 0.2 | 相似(0.382 倍) |
| f2 | 0.382 | 0 | 0 | 0.382 | 0.618 | 0 | 0.2 | 相似(0.382 倍) |
| f3 | 0.382 | 0 | 0 | 0.382 | -0.618 | 0 | 0.2 | 相似(0.382 倍) |
| f4 | 0.382 | 0 | 0 | 0.382 | 0 | -0.618 | 0.2 | 相似(0.382 倍) |
| f5 | 0.382 | 0 | 0 | 0.382 | 0 | 0 | 0.2 | 相似(0.382 倍) |
次元
| 理論値 | —(文献で確認できる値がないため記載していません) |
|---|---|
| 相似次元 | 1.672(全ての写像が相似変換のため、モランの式 から計算) |
| ボックスカウント次元(推定値) | 1.607(100万点・1 辺 16〜512 分割、決定係数 R² = 0.9999) |
部分像どうしが重なっている場合(開集合条件を満たさない場合)、相似次元は実際の次元より大きな値(上限)になります。
| 1 辺の分割数 | 点を含む箱の数 |
|---|---|
| 16 | 139 |
| 32 | 399 |
| 64 | 1,244 |
| 128 | 3,888 |
| 256 | 11,744 |
| 512 | 35,483 |
次元の求め方は「フラクタル次元の求め方」で解説しています。
作り方
- 写像 は図形を 0.382 倍に縮小して平行移動 (0, 0.618) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.382 倍に縮小して平行移動 (0.618, 0) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.382 倍に縮小して平行移動 (-0.618, 0) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.382 倍に縮小して平行移動 (0, -0.618) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.382 倍に縮小して平行移動 (0, 0) します(相似変換)。
5 つの写像はどれも「0.382 倍に縮小する」だけで、中央と、中心から 0.618 離れた上下左右の 4 か所に置きます。0.382 と 0.618 は、黄金比 を使って と と表せる値です。
関連する図形
出典・参考文献
- K. Falconer, *Fractal Geometry: Mathematical Foundations and Applications*, Wiley(初版 1990).(相似次元と重なりの扱い)