ピタゴラスの木(Pythagoras Tree)
- 分類: 植物・樹木
- 写像の数: 3 個(相似変換 2 個)
- 次元 ≈ 1.821(推定)
ステップ 0〜5 の変化
完成図をちょうど囲む長方形(Step 0)に、3 個の写像をまとめて当てはめる操作(ハッチソン作用素 )を繰り返した図です。色は最初に当てはめた写像を表します。






概要
ピタゴラスの木は、正方形の上に直角二等辺三角形を載せ、その 2 辺の上にさらに小さな正方形を載せる操作を繰り返してできる、樹木のような図形です。三角形の 3 辺の上の正方形が三平方の定理(ピタゴラスの定理)の図と同じ配置になることから、この名前で呼ばれます。
このプリセットは、その枝分かれの規則を 3 つのアフィン写像で表したものです。正方形そのものを描くのではなく、幹を線で表し、左右 45° に 倍で枝分かれする規則だけを繰り返しています。このため、正方形を積み上げる本来のピタゴラスの木とは見た目が異なり、枝先の形はレヴィC曲線に似たものになります。
枝を作る 2 つの写像は相似変換ですが、幹の写像が図形を線につぶすため、相似次元は計算できません。
アフィン変換の係数
各写像は で、 はカオスゲームで選ぶ確率です。
| 写像 | a | b | c | d | e | f | p | 種類 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| f1 | 0 | 0 | 0 | 0.5 | 0 | 0 | 0.05 | 線につぶす |
| f2 | 0.5 | -0.5 | 0.5 | 0.5 | 0 | 0.5 | 0.475 | 相似(0.707 倍) |
| f3 | 0.5 | 0.5 | -0.5 | 0.5 | 0.5 | 1 | 0.475 | 相似(0.707 倍) |
次元
| 理論値 | —(文献で確認できる値がないため記載していません) |
|---|---|
| 相似次元 | —(相似変換でない写像を含むため算出対象外) |
| ボックスカウント次元(推定値) | 1.821(100万点・1 辺 16〜512 分割、決定係数 R² = 0.9999) |
相似次元は、開集合条件を満たす場合にハウスドルフ次元と一致します。
| 1 辺の分割数 | 点を含む箱の数 |
|---|---|
| 16 | 117 |
| 32 | 399 |
| 64 | 1,383 |
| 128 | 4,908 |
| 256 | 17,709 |
| 512 | 64,155 |
次元の求め方は「フラクタル次元の求め方」で解説しています。
作り方
- 写像 は図形を幅のない線(または点)につぶします()。(0, 0) を通る線分になり、茎や幹を描きます。
- 写像 は図形を 0.707 倍に縮小して45° 回転し、平行移動 (0, 0.5) します(相似変換)。
- 写像 は図形を 0.707 倍に縮小して-45° 回転し、平行移動 (0.5, 1) します(相似変換)。
- (幹): 図形を縦の線分につぶして幹にします。
- (左の枝): 全体を 倍に縮めて左へ 45° 回転し、幹の上に載せます。
- (右の枝): 同じく 0.707 倍に縮めて右へ 45° 回転し、 の枝の先につなげます。
倍に縮めて 45° 傾けるのは、直角二等辺三角形の斜辺に対する他の 2 辺の比と向きそのものです。
関連する図形
出典・参考文献
- H.-O. Peitgen, H. Jürgens, D. Saupe, *Chaos and Fractals: New Frontiers of Science*, Springer, 1992.